木の小話(1)

【むくざい】【無垢材】

よく見聞きする言葉ですが「だからつまり何?」と思われる方もおられるかも知れません。
(かくいう私もそう思っていた一人です・・)
当たり前ですが、けして無垢材という名の木の種類があるわけではありません。
自然の一本の木から切り出され目的物を成すなら無垢材。
消去法的には、合板や集成材ではなく天然木から成る木材が無垢材。
概ねそんな風に思っていいかと思います。
ちなみに集成材などは工場で生産されることからエンジニアリングウッドなどとも呼ばれます。
集成材は角材や板材を継ぎ合わせ、より大きな角材や板材に成形したものです。
また合板とは、ベニヤ板がその代表と言っていいかと思いますが、
奇数枚の薄い単板を繊維方向を交互にしながら強力に接着したものです。
これらを大雑把に表現すると・・
 無垢材=森や林から我が家にやってきた
 集成材など=工場から我が家にやってきた
そんなニュアンスになるかも知れませんが、何れにせよどちらも木材は木材。
用途に応じた長所・短所、費用対効果等、色々あることなので一概にどっちがいいとか悪いとか。
もちろんそういう話ではありませんので念のため。

ですので家具であれ建材であれ、それが自然の木から切り出され成っているのなら、
例えば世界三大銘木(※)と呼ばれるウォールナットやチークやマホガニーにおいても
「ウォールナットの無垢材」があって「チークの無垢材」も「マホガニーの無垢材」もあるわけです。
当然その他の木種においてもそれは同様で、杉や檜やメープルやオーク(ナラや樫)だって、
パイン材(松)にもバーチ材(カバザクラ)にも何だって各々に「無垢材」はあります。
(裏返せば単一の木種から集成したものなら各々の木の集成材もあります・・当然ですが)

無垢材は限りなく自然であるが故(木は常に呼吸して伸縮しているので)、
割れやひび変形なども起きやすく大量生産にも不向きで価格も高くなりがち。。。と言われます。
ですがその一方で、天然木本来の風合いやぬくもり、重量感や質感を多分に持ち、
室内の湿度を調整してくれる働きさえもっています。
長く使い込むことを想定されているなら、遠い将来ご自身だけのアンティークの逸品になるかも。
家も家具も、自分という人間さえも!?その経年変化の様を愛おしく振り返ることができるかも知れませんね。

(※)世界三大銘木・・・の定義由来を私は知りませんがどうやらそういうことになってるみたいです。

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