木の小話(3)

適材適所な木材たち

いつも「家を楽しむ鉄と木の家具雑貨DIY用品」ファクトリー エッジアンドエッジをご利用いただきまして
まことにありがとうございます。Edge&Edgeの店主です。

今回も引き続きまして、主に家具に使用される木材をいくつか取り上げたいと思います。

6) 桐(キリ)
広葉樹。
南部桐や会津桐などをはじめとする日本の代表的な木材です。
大きな特徴は何と言ってもその軽さと狂い(伸縮性)の少なさ。さらにその木肌の色白さ。
熱や湿度を通し辛いことでも有名で、高級家具や婚礼のタンス、貴重品をしまっておく箱、
高価な贈答品の化粧箱等々によく使われているのはご存知の通りです。
他にも身近なものではチェストやすのこ、収納ボックスなどにもよく使われていると思います。
ちなみに店主が子供の頃はまだ普通に「下駄」なんかも売られておりましたっけ。
ドラマの中で中村雅俊さんがアスファルトの上を下駄でカランコロン歩く姿が何ともかっこよかったです。

7) 欅(ケヤキ)
広葉樹。
北海道をのぞくほぼ日本全国に分布するかなりメジャーな広葉樹です。
木目がくっきりと美しく磨けば光沢が出ます。比較的重くて堅い材質です。
ちなみにEdge&Edgeでも、ケヤキで鍋敷きを作ってみましたよ。汚れが目立ち辛く強度もかなりのものです。
そんなケヤキは建材はもとより家具では和箪笥やちゃぶ台などが有名ですが以前ほどその需要は高くないそうです。
(洋風住宅化に伴って欅独特のくっきり木目がその風合いと合い辛くなったからとも言われてます)
しかしながら神社やお寺などの社寺建築においてはいまだ必須の木材でもあります。
またお椀などの漆器や和太鼓の胴の部分など、その加工品材料としての有用性は今も変わりません。

8) ブナ(ビーチ)
広葉樹。
こちらも国内に広く分布する広葉樹です。(海外のビーチ材も一応同種)
弾力があり加工性がよく、特に曲げ強度に優れるため曲木家具や玩具などに最適な木材です。
またその保水性の高さと木の実が動物の餌になることなどから森の豊かさの象徴ともされるのだそうです。
一方でその保水性は乾燥し辛いという側面も持ち、とにかく乾燥させることが重要。
不十分な乾燥状態ではねじれや狂いが生じやすいというデメリットを持ち合わせます。

9) サクラ
広葉樹。
国内に生息する山桜は関東以南の温暖な地域に分布します。
重くて硬くて強靭で木肌も緻密です。加工性や着色性に優れて磨くと光沢がでます。
乾燥は多少面倒ながら狂いは少なめ。耐久性もかなり高いのだそうです。
仏壇などの高級家具材や造作材、建材、彫刻材等はたまた楽器材(ピアノの外装部や木管楽器)にも使われます。
特に国内において山桜はスモークチップ(燻煙材)としての人気も高くクセの強い燻製にむいてるのだそうです。

といった次第で、他にもまだまだたくさんありますが今回もここまで。

などと思いましたが最後にさらなる豆知識。(ご存知の方はスキップなさって下さい)
何気にさらりと分類を「針葉樹」「広葉樹」と書いてしまいますが、そもそもは・・・

【針葉樹】
・基本的には(?)裸子植物の樹木(一応イチョウも針葉樹ということになるそうです)
・軽くて軟らかい
・加工しやすい
・年輪ははっきりすっきり
・木目はけっこう真っ直ぐに通っている
・そもそも葉が針のように細かい(から針葉樹です)、先端がとがっている
・ほとんどが常緑樹

【広葉樹】
・被子植物の樹木
・重たくて堅い(桐は例外)
・加工は(針葉樹に比して)し辛い。とも言えるのは、反面としてそれは丈夫とも言えるので
・年輪ははっきりすっきりしていないものもある
・木目は複雑、故に美しいものが多いとも言える
・そもそも歯が広くて平べったい(から広葉樹です)
・落葉樹も常緑樹もあり

くらいのことを念頭に置いて分類の目安にさせてもらってますが、改めていい勉強になりました。

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